パリ-ニースを中心に、勘違いなのか意識的なのか不明な「謎のバンザイポーズ」が流行の兆しを見せている。
そもそもの始まりはパリ-ニースの第3ステージ。逃げ集団4人から抜け出した、チームCSCのコロブネフが優勝、それ以降は集団ゴール。スプリント合戦の頭を取ったのがクイックステップのトム・ボーネン。そしてその瞬間が・・・、
「あれ?なんで2位なのに、ボーネン両手挙げてガッツポーズしているの?」
そう、ボーネンは何を勘違いしたのか、自分が優勝したと思って両手を挙げてしまったのだ。後からインタビューで、逃げ集団を吸収した時に、1人の選手(優勝したコロブネフ)がそこから抜け出していることに気付かなかったこと、そしてゴール前でも前を走るコロブネフの姿が見えなかったことを話している。
最近のロードレースでは情報戦が発展している。無線を使ってレース状況やチーム戦略、指示を監督車から各選手に伝達するシステムができているのだ。だから、ボーネンが無線をちゃんと聴いていたら逃げ集団の状況を知らないというのは本来なら考えにくい。そしてゴールの瞬間、ボーネンの耳には無線用のイヤホンがちゃんと付いていた。なら、何故知らなかったのか?不思議なことだ。
そして、なんと同じことが同日イタリアで行われているティレーノ-アドリアティコでも起きた。状況も全く同じ!アレケーフというロシアの選手が逃げ切ったのだが、集団スプリントになった2位争いに勝ったT-モバイルのアイゼルが片手を挙げてゴール。こちらも
「ああ、勘違い!」だったそうだ。
そして昨日のパリ-ニースの第6ステージ。最後の山岳で集団から抜け出した総合2位のコンタドール(ディスカバリーチャンネル)とケースデパーニュの2選手。そしてゴール3km付近でこの中からケースデパーニュのサンチェスが一気に加速してそのままゴールに飛び込んで優勝。そしてゴール1km手前で、コンタドールともう1名は集団に吸収。そしてゴールスプリント!
「あれ?それに勝ったロレンツェット(ミルラム)がまた両手を挙げてゴールだ!」
おかしいだろ?それ!2位で万歳かよ!これは怪しい。そんなに間違えるはず無いだろう。無線ちゃんと聴けよ、まったく・・・。因みにこの無線、監督からの指示が煩すぎて途中から外しちゃう選手もいるようだ。確かに200km走ってきて、ヘロヘロで脚動きませんよって時に
「はい、そこ頑張って!イチ、ニー、イチ、ニー!」って号令掛けられても、
「うぜーな!」となるもの分かるけど・・・。
あと、このロードレースで優勝の瞬間必ずといって良いほど両手を挙げるポーズをとるのだが、これには理由がある。つまり、バンザイすることで喜びを表すと共に、ユニホームに描かれたスポンサー名をアピールしているのだ。だから、よっぽどのことが無い限り勝ったときのバンザイポーズは「お約束」なのだ。
だからこそ、昨日のロレンツェットは怪しいのだ。確かに総合2位のコンタドールを吸収した時点で勘違いしたのかもしれないけど、それにしてはちょっと「恥ずかしそうなバンザイ」だったのである。なんか、
「僕もスポンサーのためにバンザイしちゃおうかな!」
って感じ。確かにミルラムというチームは今回あまり活躍していなかったような気がするし。
しかし、この「2位でもバンザイ」「残念バンザイ」があまり続くと、そのうち禁止事項になるんじゃないの?だって別に2位の人がするなら、
「おいおい、俺だってやっちゃうよ!だってパーソナルベストだもん」 とか
「今日さー、調子悪くて順位もダメだったけど、彼女の誕生日なんだよね!それに観に来ているし」 とか
「最近勝っていないから、勘が鈍らないようにちょっとやってみた!」なんて輩が出てくるとまずいし・・・。
あんまり、この「勘違いバンザイ」が流行らないことを願うのだ。
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