勝負の分かれ目
まさに勝負の分かれ目だった1プレー。
ちょっと前になってしまったが、ラグビーW杯ファイナル-南アフリカ対イングランドの一戦。
それは3-9で南アフリカがリードの後半2分に起きた。イングランドがちょっとルーズなプレーからバックスに展開し、センターの選手が敵を上手くかわしながら突進。ゴールまで5mまで迫る。そこで一度潰されたものの、更に左に展開し、ウイングまでパスがつながる。ゴールラインはもうそこだ!イングランドサポーターの大声援を背に、ウイングの選手は相手にタッチラインへ押し出されそうになりながら、ゴールラインに向かって突き進む!
そして、インゴールに飛び込んだ!
やったー!トライ!
喜ぶ選手達、そして抱き合うサポーター、椅子から飛び上がる僕。
・・・しかし、審判が難しい顔している。解説を聞くと、どうやらトライした選手の足がタッチラインに触れているかもしれないそうだ。そうなるとトライは認められない。足がたとえタッチラインから出ていても、「浮いていれば」トライは認められる。さぁ、どっちだ?
何回も、いろいろな角度からビデオの映像が流される。審判がビデオチェックしているのだ。テレビで見る限り非常に微妙だ。はっきり言って「浮いているような」「タッチラインに触れているような」 ん~・・・、分からん!
イングランドのサポーターは祈っている。選手達も心の中で祈っているに違いない。そして僕も両のこぶしに力を入れて、願っている。
「トライが認められますように!」
そして、審判が下った。レフリーの両腕が横に広がる。そして「・・・タッチ・・・」の声が聞こえる。
「トライは認められなかったのだ!」、無情・・・。
その瞬間はイングランドサポーターは両手で顔を覆い、選手達はうなだれ、僕は天を仰いだ。一応、イングランドはペナルティーキックを得て、ゴールを決めたものの3点差に詰めたのみであった。
イングランドはそのまま敗れた。彼らはこのプレーに落胆はしたものの、失望はしなかった。その後も果敢に戦った。南アの防御網を何度も切り裂こうとした。しかし結局成功はしなかったのだ。
一度だけ、インゴールにボールを叩き付けた幻のプレー、そしてこのプレーは「世紀の勝負の分かれ目」となった。イングランドの選手達もファンも、そして僕も永遠に記録に残ることの無い後半2分のトライを決して忘れることは無いだろう。



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